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Wandering Wondering

Social/Journal

FRAGMENT

Timeline: zero

プロトタイプ

それはスフィア歴が始まる前の話。
二種族間の大きな戦争があった。
ヒトと暗黒物質。
光と闇の戦いはヒトの勝利に終わり、暗黒物質は姿をくらませた。
その世界はビヴロスト。現在はヒトが文明を築き上げている。

先の大戦では魔法が主力兵器として使われていた。
魔法は特殊な鍛錬を積むことでことで使用出来るようになる。
しかし、兵士を育て上げるコストや時間は膨大だった。
その時開発されたのが『スフィア』と呼ばれる水晶だった。
どんな人でも簡単に魔法を使えるようになるシロモノだ。
『スフィア』を開発したヒトは暗黒物質に大勝を収めることになった。
しかし、その絶大なる力からか、『スフィア』は技術ごと封印されることとなる。
封印を施したのは『星の巫女』。封印を解くことも『星の巫女』にしか成し得ない。

アクイラの科学研究府は、この古代の兵器を現代文明で応用することが出来ないかと考えた。
研究府の代表ジョニー・ウォーカーはスフィアが眠るのはアインシュレインのアルファルド神殿だということを古代の文献から突き止める。
そして彼は『大いなるスフィア』の声を聞く。
『災いが起きる。ヒトの血から生まれし兵器が再び世界を覆い尽くす』
彼はその予言を基に人体実験を始める。そして間もなく、『スフィア』のプロトタイプが完成する――――

「トゥルー・エイル」
「わざわざ俺たち『最初の人々』に接触しに来るとは、どういう風の吹き回しだ? 科学研究府のおっさんよぉ」
「君たちに試してもらいたいことがある」
ジョニーはプロトタイプを差し出した。
「……面白くなってきたな」